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過去の空中写真で、境界復元の可能性を探る。

 今回は、みどり新川に掲載した、空中写真による境界推定について詳しく紹介します。
下の写真は、平成19年(現在)の管内とある場所の空中写真です。
現在の状況
 現在の写真では、大きく拡大造林された施業地と、それより以前に植栽された高齢級の
人工造林地の所有境界と推測できる、林分の違いがいくつか確認できます。
 それでは、過去に遡って確認してみましょう。
下の写真は、現在の写真とまったく同じ場所で昭和36年に撮影された空中写真です。
昭和36年当時の状況
 現在の写真で確認できなかった、耕作地や山で営まれていた伐採や植林の跡がクッキリ
と映し出されています。
 この写真から読み取れる境界にマークをします。
境界と推定される場所にマーク
 黄色の線は、植林され草刈等が行われている跡、桃色は後に広葉樹が再生していますので
炭を生産するために伐採された跡と推測されます。赤い点線は歩道の跡で、公図との照会には非常に重要な痕跡です。
 今度は昭和36年のマークをそのままに、少し時代を進め昭和41年の写真で確認します。
昭和36年の写真とこの写真の比較により、杉と広葉樹の成長が確認できます。
昭和36年の痕跡と昭和41年の状況
 さらに昭和41年に新たな痕跡が確認できますので、追加してみましょう。
昭和41年の写真から痕跡にマーク
 黄色は新たに植林された場所。緑色は後に広葉樹が再生が確認できますので、炭の生産のために伐採されたと推測できる場所です。
 過去の写真から得られた情報を現在の写真に重ねあわせてみます。
平成19年(現在の状況)
 現在では広葉樹は林分の区別が付かず、人工造林地においても、多くの情報は失われ、拡大造林地では現地確認さえも困難な状況が推測されます。
 このように、現在の写真だけでは確認できない貴重な情報を過去の写真から読み取り、境界の復元に役立てていきたいと考えています。
 
 過去の写真の情報を重ね合せるためには、写真の歪みを修正し、正確な位置情報と標高データを与える(オルソ化)必要があります。オルソ化した写真はGPSと連携し、過去の写真上に現在地を表示させることも出来ます。
 まだ一部の地域、年代しか整備ができていませんが、より細かく年代を比較調査することによりさらに多くの情報が得られますので、管内全域のオルソ写真整備、情報の収集に努めていきます。

 このシステムは、富山県森林研究所・小林副主幹研究員の技術支援、情報提供により実現しました。深く感謝申し上げます。

 次回は過去の写真をハンディGPSに取り込んで、現場に残る境界の痕跡を探ります。
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